50代で起業。日々新たな気づきに満ちた道のり
CloudLab代表の岩森です。50代で起業し、毎日が新しい発見と学びの連続だと感じています。特に、地域に根ざしたビジネスを始めてからは、これまで見えていなかった「商売の本質」に触れる機会が増えました。
今回は、私が起業初期に経験した、ある出来事についてお話ししたいと思います。それは、補助金の申請を通じて、地元の商工会の方からいただいた、たった一言がきっかけでした。その一言が、私の事業に対する考え方、特に「地元で仕事を作る」という営業戦略の根幹を大きく揺さぶり、新たな視点を与えてくれたのです。
起業初期の資金繰り、そして補助金申請の検討
会社を立ち上げたばかりの頃は、やはり資金繰りが大きな課題となります。運転資金や初期投資、IT機器の購入など、何かとお金がかかるものです。私も例に漏れず、事業を軌道に乗せるために、融資や助成金、補助金といった制度の活用を検討していました。
京都・亀岡を拠点とする私にとって、頼りになるのは地元の商工会です。様々な相談に乗っていただく中で、事業に不可欠なIT関連機器の購入に補助金を活用できると知り、早速申請の準備を進めることにしました。
当然、できるだけ効率的かつコストを抑えて機器を調達したいと考えます。普段から使い慣れているAmazonビジネスを活用し、必要な機器の見積もりを手早く作成しました。法人向けアカウントなので、見積もりもスムーズに発行でき、これを持って商工会へ相談に向かったのです。
商工会で言われた、忘れられない一言
商工会では、補助金申請書の書き方や事業計画書の相談など、手厚いサポートをいただきました。その中で、私が提出したAmazonビジネスの見積書を見た担当の方が、ふとこうおっしゃったのです。
「岩森さん、せっかく補助金を使って機器を発注するなら、Amazonで買うよりも、地元の業者さんに発注した方が、そこから仕事につながるかもしれませんよ」
この一言を聞いた時、正直なところ、最初は「なるほど」という程度にしか思っていませんでした。Amazonで買えば、安く、早く、手間なく手に入る。それが「効率的」であり「合理的」だと考えていたからです。しかし、その後の言葉で、私の考え方は大きく変わることになります。
Amazonの効率性と、地元業者の「関係性」
担当の方は、Amazonで機器を購入した場合のメリットと、地元業者に発注した場合のメリットを、丁寧に説明してくださいました。
Amazonで買うことのメリットと限界
Amazonでの購入は、確かに利便性が高く、コストも抑えられます。補助金を使えば、さらに割引価格で手に入れられるため、初期費用を抑えたい起業家にとっては非常に魅力的です。
しかし、そこで生まれる関係性は、あくまで「購入者」と「販売プラットフォーム」に過ぎません。商品は手に入るものの、それ以上の人間的なつながりや、ビジネス上の新たな機会が生まれることはほとんどありません。得られるのは、単に「安く買えた」という一時的な満足感だけ。それはそれで悪くはないのですが、それ以上のプラスの効果は期待できないのです。
地元業者に発注することで生まれる「価値」
一方で、地元の業者さんに発注するとなれば、話は全く変わってきます。
- 関係性の構築: まず、発注という行為を通じて、その業者さんとの新たな関係が生まれます。挨拶を交わし、顔と顔を合わせることで、信頼関係の第一歩が築かれます。
- 会話からの事業紹介: 機器の納品や設置の際、あるいはその後のちょっとしたやり取りの中で、「どんな事業をされているんですか?」といった会話が自然と生まれるでしょう。そこで私は、CloudLabがホームページ制作やシステム開発、IT支援を行っていることをお伝えできます。
- 潜在的な仕事の機会: この何気ない会話が、将来の仕事につながる可能性を秘めているのです。「そういえば、あの時発注した会社がITの専門家だったな」と、何か困りごとがあった時に思い出していただけるかもしれません。あるいは、その業者さんが別のお客様にCloudLabを紹介してくださる、といった展開も考えられます。
単に機器を安く手に入れるだけでなく、そこから新たな人間関係が生まれ、それが巡り巡って自分の事業の拡大につながるかもしれない。この可能性に気づいた時、私は大きな衝撃を受けました。
地域経済の循環と、長期的な視点での事業づくり
商工会の方の言葉は、さらに深い示唆に富んでいました。
「地域で事業をするのであれば、地域の中でお金を回していくことが大切です。それが最終的には、岩森さんの事業にもプラスになりますよ」
確かに、個別最適で考えれば、自分の会社にとって最も安く、早く手に入るAmazonを選ぶのが合理的です。しかし、地域経済全体という大きな視点で見ると、どうでしょうか。地元業者に発注すれば、そのお金は地元に落ち、その業者の経営を支え、地域の雇用を生み出します。そして、そのお金がまた別の地元業者へと回り、地域全体の経済が活性化していくのです。
この経済の循環は、決して他人事ではありません。地域全体が活気を取り戻せば、新たなビジネスチャンスが生まれ、CloudLabのようなIT支援を必要とする企業も増えるでしょう。結果として、巡り巡って私の会社にも仕事が舞い込む可能性が高まるのです。
短期的なコスト削減だけでなく、長期的な視点で地域との共生を考える。50代で起業した私にとって、これは事業の持続可能性を考える上で、非常に重要な視点となりました。補助金や助成金が単なる「割引」ではなく、地域経済を活性化させるための「投資」であり、その使い方一つで、未来のビジネスを育む種を蒔くことができるのだと実感しました。
バランス感覚を持って、地域との連携を
もちろん、何でもかんでも地元業者に頼めば良い、という単純な話ではありません。品質や納期、専門性など、事業を進める上で譲れない条件がある場合もあります。そうした場合は、無理に地元にこだわる必要はないでしょう。
しかし、もし条件が許すのであれば、積極的に地元の業者さんとの連携を模索すること。これが、地域に根ざしたビジネスを営む上で、非常に大切な考え方だと私は確信しています。
今回の経験を通じて、私は地域経済の一員としての自覚を強く持つようになりました。CloudLabの事業を通じて、地域の企業がITを活用し、成長していくお手伝いをすること。そして、私自身もまた、地域の中で積極的に経済を循環させる一端を担うこと。これらが、私の事業の大きな柱となっています。
地域ビジネスの可能性を信じて
50代で起業した私にとって、この「地元で仕事を作る」という営業戦略は、単なる効率性だけを追求するのではなく、人とのつながりや地域の活性化という、より豊かな価値を生み出す道だと感じています。
これからも、この京都・亀岡の地で、地域の中小企業の皆さんと共に成長していけるよう、誠実に事業に取り組んでまいります。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。地域のビジネスを活性化させたい、ITを導入して業務を効率化したいとお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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