先日、私はある方々と約6時間にわたるミーティングを行いました。午後1時から始まり、終わったのは午後7時頃。ほとんど聞き役だったにもかかわらず、ミーティングが終わる頃には、正直なところ「脳みそが終了した」という感覚でした。今回は、この長時間にわたる対話から得た50代起業家としてのリアルな疲労と、事業の本質を見極めることの重要性についてお話ししたいと思います。
6時間の「聞き役」がもたらした、50代のリアルな疲労と学び
起業して以来、打ち合わせやご相談の機会は増えましたが、これほど長時間にわたるミーティングは久しぶりでした。しかも、私がずっと喋っていたわけではありません。むしろ、ほとんど聞き役に徹していました。しかし、「聞いているだけ」が楽かというと、全くそんなことはありませんでした。
相手の話を遮らずに聞きながらも、頭の中では常にフル回転で思考が巡っていました。何が本音なのか、商売の種はどこにあるのか、どうすれば事業として成立し、前に進めるのか——。単なる雑談ではなく、相手の事業の将来に関わる深い話ばかりです。見た目には私がぼんやり座っているように見えたかもしれませんが、実際には想像以上にエネルギーを使っていました。
若い頃とは違い、50代になると体力も集中力も落ちてきているのを実感します。長時間にわたる集中は、やはり体に堪えます。しかし、この疲労の先に、見えてきたものも確かにありました。
カーコーティング事業の「本命」は、意外なところにあった
今回のミーティングは、カーコーティング業を営むAさんと、経営・人材育成コンサルタントのBさん、そして私の3者で行われました。以前、Aさんのホームページ制作に携わったご縁で、経営に関するご相談に乗らせていただいていました。今回はBさんも加わり、より多角的な視点から事業を深掘りする機会となりました。
Aさんの当初の目標は、一般車向けのカーコーティング事業で年商1000万円を目指すことでした。ミーティングでは、対象車両(一般車、高級車、特殊車両、トラックなど)、価格設定、営業手法(チラシ、パンフレット)、顧客層(BtoCかBtoBか)、契約形態、そして事業に必要な投資や補助金の活用など、話題は多岐にわたりました。
様々な角度から議論を重ね、Aさんの過去の経緯や価値観、お金に対する感覚、これまでの営業実績などを詳しく聞くうちに、私の中で一つの方向性が見えてきました。それは、一般車向けのコーティングよりも、トラック・建機・特殊車両向けのBtoBサービスとして展開する方が、より事業としての可能性があるのではないか、というものです。
トラックや建機は車体が大きいため、当然ながら単価も高くなります。また、洗車の負担軽減や見た目が会社の信用に直結すること、さらには売却時の資産価値にも影響を与えるという側面があります。これらは単なる「コーティング」ではなく、「法人向けの業務改善サービス」として見せられる可能性を秘めていると感じました。Aさんの本音や事業への思いが、対話の中から少しずつ輪郭を帯びてきた瞬間でした。
IT導入の前に考えるべきこと:事業課題の「翻訳」と「整理」
私の本業はIT支援ですが、今回のミーティングで改めて感じたのは、いきなり「ITを導入しましょう」という話にはならない、ということです。ITはあくまでも課題解決のための「手段」に過ぎません。
まず必要なのは、経営、事業、そして業務における課題を深く掘り下げ、言語化し、整理することです。今回のAさんのケースもそうでしたが、お客様自身が本当に何を求めているのか、どこに事業の可能性があるのか、最初は漠然としていることがほとんどです。
「誰に、何を、どんな価値として届けるのか」——。この問いに対する答えを一緒に探し、事業の方向性を定める。そして、その上で「では、それを実現するためにITをどう活用するか」という話になるのです。IT以前の課題整理や事業化の方向性を見定めることが、何よりも入り口として重要だと、ますます強く思いました。
50代の私が見つめ直す、これからの「会議設計」と「働き方」
今回のミーティングは、多くの気づきを与えてくれましたが、同時に反省点もあります。やはり、6時間ぶっ通しの議論は長すぎました。もちろん、AさんやBさんが真剣に話してくださったからこそ、事業の本質にたどり着けたという側面もあります。
しかし、今後、私が外部の人間としてお客様の事業に関わっていくのであれば、会議の設計はもっと工夫すべきだと感じました。例えば、最初に今日の会議のゴールを明確に決めておくこと。途中で適宜休憩を挟むこと。議論が広がった際には、ホワイトボードなどを使って論点を整理し、そこから深掘りしていくこと。そして、最後に次にやることを3つだけ決めるなど、具体的なアクションに繋げること。これらを意識しないと、熱量だけはあっても、全員が疲弊して終わる可能性があります。
50代の脳みそには、やはり効率的で質の高い会議設計が不可欠です。体力や集中力の低下と向き合いながら、いかに限られた時間で最大の成果を出すか。これは私自身の働き方にとっても、大きな課題だと改めて感じました。
疲労の先に掴んだ、事業支援の確かな手応え
6時間のミーティングは確かに疲れましたが、その分だけ確かな手応えも感じました。良い技術やスキルだけでは、あるいは人柄だけでも、ビジネスは成り立ちません。「誰に何をどんな価値として届けるのか」を明確にし、それを実現するための道筋を一緒に整理していくこと。
これこそが、これからの私、そしてCloudLabに求められている仕事なのだと強く思います。IT導入はその最終的な手段であり、その前段階にあるお客様の「本当に困っていること」や「実現したい未来」を、対話を通じて引き出し、形にしていく。そのプロセスにこそ、私たちの価値があると確信しています。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。IT以前の事業課題の整理から、具体的なIT導入まで、お気軽にご相談ください。
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