こんにちは、CloudLab代表の岩森です。
今回は「良い技術があっても、商品になっていなければ売れない」という、私自身の事業にも深く関わるテーマについてお話ししたいと思います。
最近、あるカーコーティング事業を営む職人さん、仮にAさんとしましょうか。Aさんの事業についてお話を伺う機会がありました。その中で、改めて事業を「商品」として整えることの重要性を痛感したのです。
素晴らしい技術が「売れない」もったいなさ
Aさんが手掛けているのは、「ワンラップコート」という特殊なカーコーティングです。一度塗ると効果が最大10年以上持続すると言われ、水洗いだけで汚れがサッと落ち、常にピカピカの状態を保てるという、まさに夢のような技術です。しかも、京都地区でこのコーティングを扱えるのはAさんだけという、非常に強いアドバンテージがあります。
Aさん自身の強みも素晴らしいものがあります。長年トラックに乗っていた経験があり、運送業や建機業界の現場をよくご存じです。大型車両の洗車がどれほど大変か、その苦労を肌で知っている。だからこそ、そうした業界の社長さんが「何に困っているか」を肌感覚で理解されているのです。特殊な技術に加え、業界経験に基づいた顧客理解。これは本来、商品を売る上で非常に強力な武器になるはずです。
しかし、ここに一つの問題がありました。その素晴らしい技術と経験が、まだ「商品」として整理されていなかったのです。
お客さんの立場からすると、「結局、何をしてくれる人なの?」「一体いくらかかるの?」「どんなメリットがあるの?」「どこまで対応してくれるの?」といった疑問が解消されない状態でした。どれだけ良い技術やサービスを持っていても、お客さんが「これだ!」と判断できる形になっていなければ、やはり売れません。これは非常にもったいないことです。
メニュー表のない飲食店は成り立たない
考えてみてください。もし飲食店に行って、メニュー表がなかったらどうでしょうか。「うちはめちゃくちゃ美味しい料理を作れます!」と言われても、「何があるんですか?」「いくらですか?」「何分くらいかかりますか?」と、戸惑ってしまいますよね。
サービス業も同じです。「誰に」「何を」「いくらで」「どこまでやってくれるのか」「それによってどんな効果があるのか」を明確にして初めて、それは「商品」として成り立ちます。お客さんからすれば、そこが分からなければ、検討のしようがないのです。
技術を「商品」に翻訳する具体例
Aさんの事例では、この素晴らしい技術を「商品」としてどう翻訳していくか、具体的に話し合いました。
例えば、Aさんの技術を「特殊車両向け出張コーティングサービス」として整理するのはどうでしょうか。
- ターゲット:トラック、建機、リース車両など、特殊車両を保有する法人
- メリット:
- 洗車時間の劇的な削減
- 常に綺麗な見た目を維持でき、会社の信用度アップ
- 従業員の洗車負担軽減、働きやすさ向上
- 車両の売却時の価値維持
- 価格設定:車両サイズごとの目安価格を設定し、初回特典としてデモ施工や洗車サービスを付ける
そして、これらの情報をA4一枚の資料や、ホームページのサービス説明ページとして分かりやすくまとめる。ここまで来て初めて、お客さんは「これはうちに関係があるな」「一度頼んでみようかな」と判断できるようになります。技術の羅列ではなく、お客さんが得る「未来」や「解決策」を提示する。これが「商品化」の本質です。
自分へのブーメラン:CloudLabも例外ではない
今回のAさんの話は、まさに私自身、CloudLabの事業にもそのまま跳ね返ってくるブーメランだと感じました。CloudLabではホームページ制作、AIツール開発、業務改善支援など、様々な形で中小企業のIT活用をサポートしています。
しかし、お客さんから見たときに「結局、CloudLabに何を頼めるの?」「いくらなの?」「どんな会社がターゲットなの?」という点が、まだ分かりにくい部分があるかもしれません。人のふり見て我がふり直せ、とはよく言ったものです。
起業初期には、自分の軸や提供サービス、ターゲットが定まりにくい面があります。特に、私のように「何でもできる」「作れる」というタイプの人間ほど、商品化を後回しにしがちです。まずは作って、動いて、試すことはもちろん大事です。しかし、その次に「売れる形」に整える作業が不可欠なのです。
「商品化」に必要な作業とは
今回の学びを通して、改めて「商品化」に必要な作業を整理しました。
- サービスに分かりやすい名前をつける
- 対象とするターゲットを明確に絞り込む
- 価格をきっちり決める
- サービス内容を資料やウェブページで「見える化」する
- お客さんが申し込みに至るまでの導線を設計する
これらは、技術を持つ人が「技術の話」ばかりしがちなのを防ぎ、お客さんが聞きたい「それによって自分に何が起きるのか」というメリットに焦点を当てるための重要なプロセスです。
Aさんのコーティングの話であれば、「洗車が楽になる」「従業員が早く帰れるようになる」「会社の印象が良くなる」「売却時の価値が落ちにくい」といった具体的な言葉に翻訳して初めて、その価値がお客さんに伝わります。これこそが「商品化」なのだと、改めて肝に銘じました。
CloudLabも「AI使えます」「システム作れます」「ホームページ作れます」といった技術的な説明だけでは不十分です。「誰のどんな困り事を、いくらで、どこまで解決するのか」を、もっと具体的に言語化していく必要があると強く感じています。
作るだけで終わりではなく、売れる形にするところまでが、私たちの仕事です。今回の学びを活かし、CloudLabもお客様にとってより分かりやすく、価値あるサービス提供を目指してまいります。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。もし、あなたの会社が持つ素晴らしい技術やサービスを「売れる商品」として磨き上げたい、あるいはITやAIを活用して事業をさらに発展させたいとお考えでしたら、お気軽にご相談ください。
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