50代でCloudLabを起業し、事業の一環としてYouTubeでの情報発信を始めてから、改めて痛感していることがあります。それは「カメラに向かって一人で自然に話す」ことの難しさです。おそらく、YouTubeをされている方なら共感していただけるかもしれませんし、これから始めようと考えている方にとっても、想像以上に難しい壁として立ちはだかるかもしれません。
今回は、私が日々格闘しているYouTube発信のリアルな課題と、その中で見つけたAI活用のヒントについてお話ししたいと思います。
カメラは「無言の聞き手」:一方的な発信の難しさ
普段の会話であれば、相手の頷きや表情、相槌、時には首を傾げる仕草を見て、話し方や内容を調整できます。「ここはもう少し詳しく説明した方がいいな」「この話は響いているな」「ちょっと長すぎたかな」といった具合に、リアルタイムで反応を見ながらコミュニケーションを取れるのが対話の良さです。
しかし、YouTubeで一人で話していると、目の前にあるのはただのカメラレンズだけ。表情も、頷きも、笑顔も、相槌も、すべてがゼロです。私が何を話しても、カメラはずっと無言。ある意味、最も厳しい聞き手だと言えるでしょう。「なるほど」とも言わないし、「面白いですね」とも言わない。「そこ、ちょっと長いですね」と指摘してくれることも、退屈そうな表情を見せることもありません。
ただ、レンズが私を見つめているだけ。このレンズに向かって「こんにちは、CloudLabの岩森です」と話しかけるのは、慣れるまで本当に不自然な感覚です。まるで独り言を言っているような、奇妙な感覚に陥ります。
原稿なしでは話が迷子に、原稿ありでは話し方が硬くなるジレンマ
この「無言の聞き手」との対峙に加え、YouTube発信にはもう一つ大きな壁があります。
課題1:原稿なしだと話が迷子になる
最初は「今日は営業の話をしよう」と思って話し始めても、途中で「そういえば昔こんなことがあって…」と過去の話に脱線し、さらに「結局、独立って難しいですよね」と人生論に飛んでしまう。気づけば、最初に何を話そうとしていたのか分からなくなり、最終的には「なんとなく頑張ります!」で終わってしまう、なんてことがよくあります。
後で自分の動画を見返すと、「この人、結局何が言いたかったんだろう?」と、自分自身に問いかけてしまうほどです。話があちこちに飛んでしまうと、聞いている人にも伝わりませんし、動画としてまとまりがなくなってしまいます。
課題2:原稿ありだと話し方が硬くなる
話が迷子になるのを避けるため、最近は原稿を作るようにしています。私のネタ元は、日々の出来事です。営業で電話をかけた話、提案に行った話、打ち合わせで気づいたこと、価格設定で悩んだこと、そして今日のように「YouTubeの話し方で悩んだこと」など、5秒程度で終わるような短い出来事をメモしておきます。
これらのメモをもとに、AIに相談して原稿の叩き台を作ってもらうこともあります。AIはネタを整理し、話を論理的にまとめるのが得意なので、非常に助かっています。そうしないと、ネタも整理できないし、話もまとまらないからです。
しかし、ここで次の問題が出てきます。原稿を作ると、今度は話し方がどうしても硬くなってしまうのです。まるで教科書を読んでいるかのように、棒読みになってしまう。普段、人と話している時はもっとフランクに話せるのに、カメラの前で原稿を読むとなると、「ちゃんと読まなきゃ」という意識が働き、普段の実力が出せなくなってしまいます。
原稿なしだと迷子になり、原稿ありだと硬くなる。まるで「右に行けば沼、左に行けば崖」のような状態で、真ん中の道がなかなか見つからないというジレンマに陥っています。
専門家も悩む発信の壁
先日、ある士業の先生と話す機会がありました。その先生も、ご自身のビジネスの宣伝のためにYouTubeをされているのですが、やはり同じ悩みを抱えていらっしゃいました。
普段の会話では、先生は非常に説得力のある話をされますし、内容も頭に入ってきやすい。しかし、いざYouTubeで話すとなると、私と同じように硬い喋り方になってしまい、普段の実力が発揮できていないように感じたのです(僭越ながら、私自身もまだまだですが)。
専門知識を持ったプロフェッショナルでさえ、カメラの前での発信には苦戦する。このことは、発信の難しさが普遍的なものであることを物語っていると思います。カメラの前でスラスラと自然に話せる人は、本当にすごいと改めて感じました。
自然に話そうと思えば思うほど不自然になり、目線や口の開き方、身振り手振りなど、気にすることが多すぎて、肝心の話す内容がどこかへ行ってしまうこともあります。
発信の難しさを乗り越えるための試行錯誤
YouTubeの分析ツールを見ると、やはり最初の数十秒で多くの視聴者が離脱していることが分かります。いかに最初の「掴み」を大切にし、最後まで聞いてもらえるような話し方を維持できるか。これは本当に難しい課題です。
そこで私が今、試行錯誤しているのは、冒頭で「今日は何の話をするのか」「なぜ聞く価値があるのか」「どんなオチがあるのか」をなるべく明確に伝えるようにすることです。そして、できるだけ大きな声ではっきりと話すように心がけています。
また、漫才師の営業トークの動画などを借りて、話し方や間の取り方、人を引き込む技術を学ぶこともあります。もちろん、それを見たからといってすぐにプロの芸人のように面白おかしく、かつためになる話ができるわけではありません。しかし、この発信の力は、事業を進めていく上で避けては通れない重要なスキルだと認識しています。
50代で新しい挑戦として始めたYouTube。この発信活動は、まさに「コツコツと積み上げていく」ことの連続だと感じています。すぐに完璧にはなれませんが、このリアルな経験が、CloudLabのお客様である中小企業の皆さんのIT活用やAI導入を支援する上での、血の通ったアドバイスに繋がると信じて、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。今回お話ししたような発信の悩みはもちろん、DX推進や業務効率化でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
この記事の内容はYouTubeでも話しています。
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