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50代起業

50代起業で壁にぶつかっていた私を救ってくれた、高校生たちのまっすぐな質問

独立して法人を立ち上げてから、順風満帆とはいかない日々が続いています。時間と労力をかけて提案した案件から撤退することになったり、自分なりに心を込めて開発したサービスや仕組みが思うように売れなかったり。AIを活用した開発でも行き詰まることが多く、正直なところ、最近の私はかなり自信を失っていました。

「自分が考えている事業は、本当に世の中に必要なのだろうか」
「会社員のまま、あるいはフリーランスのままでいたほうが良かったのではないか」
「自分には商売をするセンスがないのかもしれない」

そんな思考のぐるぐるとした渦の中にいたとき、地域の勉強会(木鶏会)に参加する機会がありました。

予想外だった、高校生2人とのグループワーク

その勉強会は、普段は経営者や社会人が集まって人間性を磨くような場なのですが、その日は少し雰囲気が違っていました。プロのサッカー選手を目指しているという高校生たちが、20人ほど参加していたのです。

グループワークの席決めはくじ引きだったのですが、私が座ったテーブルは「私1人と、高校生2人」という構成になりました。

最初は少し緊張感もありましたが、2人とも非常に爽やかで真剣な眼差しをしていました。私が自己紹介として「京都の亀岡で会社を立ち上げて、地元の企業向けにIT支援やAI活用のお手伝いをしている」と簡単に話すと、彼らは目を輝かせて次々と質問を投げかけてくれたのです。

「どうして会社を立ち上げたんですか?」
「怖くなかったんですか?」
「AIって、実際の仕事でどんな風に使うんですか?」
「最初の仕事って、どうやって取るんですか?」

彼らは私の言葉をメモしながら、本当に興味深そうに聞いてくれました。私もその熱量に押され、自分が会社を辞めて独立した経緯や、泥臭く営業をしてお客さんの課題を聞き出してきた話などを、熱を込めて語っていました。

話せなかった現実と、帰宅後の胸のつかえ

しかし、彼らに語る自分の声を聞きながら、私の心の中には別の冷ややかな感情もありました。

(現実は、そんなカッコいいものじゃないんだよな……)

売上は目標に届いていないこと。直近で大きな提案が流れてしまったこと。開発したアプリが現場で「いまいち使いづらい」と言われてしまったこと。そうした生々しい失敗や泥臭い苦悩は、キラキラした目を向けられた手前、その場では話せませんでした。

自宅に帰ってから、強い胸のつかえを感じました。
「自分は高校生相手に、見栄を張っていいところだけを見せてしまったのではないか」
「成功者気取りで、格好をつけてしまったのではないか」
自分の薄っぺらさに、自己嫌悪のような感情が込み上げてきたのです。

「成功していない」と「挑戦していない」は、全く違う

ですが、時間を置いて静かに振り返ってみるうちに、一つの考えに思い至りました。

「嘘は言っていないな」ということです。

私は彼らに「大儲けしている」とも「事業が順調だ」とも言っていません。ただ、独立して新しい技術を学び、泥臭く営業に回り、断られても次の方法を考えているという「今やっている事実」を淡々と話しただけでした。

私はどこかで、重大な混同をしていたのかもしれません。
「成功していないこと」と、「挑戦していないこと」は違うのだということに。

51歳で会社を立ち上げ、新しいAI技術を学び、自分で仕事を作ろうと動き回っている。結果としてまだ大きな利益や成功が得られていないからといって、これまでやってきた試みや行動のすべてが無価値なわけではありません。

SNSを開けば、若くして華々しい実績を上げている経営者の姿が目に飛び込んできます。それに比べて進みの遅い自分に嫌気がさし、売上が足りないという結果だけを見て、自分自身の存在や挑戦そのものまで否定しかけていたことに気づきました。

もう無理だと諦める段階ではない

高校生たちが聞いてくれたのは、現在の我が社の決算内容ではありませんでした。「なぜ立ち上げたのか」「どんな想いで動いているのか」「これからどうしようとしているのか」という、私自身のプロセスの部分でした。

彼らの真っ直ぐな問いに答える中で、私は自分が起業したときの初心を思い出していました。
安定した会社員生活を捨ててまで挑戦したかったのは、誰かが作った仕組みの上で生きるのではなく、自分の手で新しい価値や仕組みを作り出してみたかったからです。最初から簡単にうまくいかないことなど、分かっていたはずでした。

今のやり方では売れなかった。今の提示では伝わらなかった。今の提案では合わなかった。それはすべて単なる「途中の経過」であって、まだ事業を諦める理由にはなりません。

根性論だけで意味のない努力を続けるつもりはありません。売れないサービスは見直すべきですし、撤退すべき案件からは撤退すべきです。しかし、事業を冷静に見直すことと、自分を全否定することは全く別物です。

やり切っていないこと、まだ試していない売り方、磨き切れていない強み、伝えるべき言葉がまだまだ山ほどあります。自分で納得がいくまでやり切ってもいないのに、「自分には無理だった」と結論を出すのは早すぎると痛感しました。

高校生たちから、思いがけず大きな力をもらった一日でした。また明日から、目の前の課題に一つひとつ向き合い、自分ができる泥臭い一歩を踏み出していこうと思います。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。現場のリアリティに寄り添ったシステム開発や業務効率化について、お気軽にご相談ください。

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