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AI・IT活用

AI時代、50代起業家が考える「AIに奪われない仕事」と「越境人材」の価値

こんにちは、CloudLab代表の岩森です。

私は日々の業務で、毎日のようにAIにコードを書かせています。すると、ふと怖くなる瞬間があるんです。自分で一行ずつ書くよりも、AIに頼んだ方が早い場面が本当に増えてきたからです。「これではエンジニアはもういらなくなるんじゃないか?」——そう思ってしまうのも無理はありません。SNSでも「AIでエンジニア不要論」といった話がよく流れてきます。

しかし、しばらくAIを使い込んでいるうちに、私の感覚は少し変わってきました。エンジニアがいらなくなるのではなく、価値が生まれる場所が移動したのではないか、と。今日は、そのことについてお話ししたいと思います。

AIに丸投げできない3つの仕事

私なりに、AIに丸投げできない仕事が大きく3つあると感じています。これからの時代に、人が真に力を発揮できる領域だと考えています。

1. 「落ちない設計」ができる人(非機能設計)

AIは「動くコード」を本当によく書きます。サンプルコードのようなものであれば、あっという間です。しかし、「動く」ことと「本番で使える品質」は全く別物だと私は考えています。

本番のシステムには、以下のような要件が求められます。

  • 落ちないこと:システムが安定して稼働し続ける。
  • データを守れること:情報漏洩やデータ破損がないよう、セキュリティが確保されている。
  • 何ヶ月も回り続けること:一時的な稼働ではなく、長期的な運用に耐える。
  • 利用が増えても耐えられること:アクセス集中やユーザー増加にスケーラブルに対応できる。
  • 障害が起きた時にどこまで戻せるか:災害やトラブル発生時の復旧計画。

これらは「非機能設計」と呼ばれる領域で、AIにまだ丸投げはできません。なぜなら、その判断には、「このシステムが現場でどう使われ、どこで壊れたら誰が困るか」といった文脈の理解が必要だからです。AIは部品は作れても、その部品をどう組み合わせたら壊れない形になるかは、まだ人が決める部分です。

私はかつて、大手企業で全社のデータを統合する基盤をゼロから作り直すプロジェクトを任された経験があります。Treasure DataからSnowflakeへの移行も経験しました。ああいう仕事は、まさに「落ちたら会社が止まる」という前提で移行計画や新しい基盤を設計します。あの経験は、今でも私の土台になっています。

2. 「何を作るか決められる」人(ドメイン知識×設計翻訳)

AIは「どう作るか」はめちゃくちゃ手伝ってくれます。しかし、そもそも「何を作るべきか」は、やはり決めてくれません。ここもまた、人の力が不可欠な領域です。

例えば、ある会社の業務を効率化するシステムを作るとします。その時に必要なのは、その業界の仕事の流れ、お金の流れ、独特の商習慣といったものを深く理解することです。そして、「ここをこう作れば現場が楽になる」という具体的な形に、現場の言葉をシステム設計に「翻訳」する力が求められます。

この「翻訳」ができる人が本当に少ないと感じています。手前味噌になりますが、私は最初、小売業でシステムの企画を、その後はカード会社でシステムの企画を経験してきました。事業を運営する側の感覚も多少は分かります。技術だけ、業務だけではなく、その間を行き来する力が、今の自分の仕事にすごく効いていると実感しています。

3. 「現場に入って引き出せる」人(営業・ヒアリング)

これが一番泥臭いのですが、でも一番効くと思っています。システムを作る前に、現場の人に話を聞きに行く。すると、最初は「特に困ってないよ」と言われたりするものです。しかし、何度か通って雑談するうちに、ようやく本音が引き出せる。「実はこれ、毎月作業で2日間かかってるんだよね」といった、現場の暗黙知や、口に出されない本音を引き出す力は、AIには取って代われません。

むしろ、これはエンジニアが一番避けがちなところかもしれません。「人とは話すのが苦手で、技術の道に進んだ」という人も多いからです。だからこそ、ここができる人は希少であり、非常に価値が高いと考えています。

「器用貧乏」が「越境人材」に化ける時代

ここまで3つの仕事について話してきましたが、最近私が一番強く感じているのは、この3つのうち、どれか1つを極めた一流の専門家ももちろん素晴らしいですが、それと同じくらい、もしかしたらそれ以上に必要なのは、この3つを少しずつでも横断して繋げられる「越境人材」ではないか、ということです。

一流の設計者、一流のコンサル、一流の営業。それぞれ別の人がいるよりも、そこそこできる能力を3つ持ち、その間を繋げられる人。これは昔、「器用貧乏」と言われていた働き方です。「何でもそこそこだと、一つの専門で勝てない」と言われていた時代もありました。

しかし、AIが専門分野の「中身」をどんどん埋めてくれる時代になってくると、話が逆になると思うのです。専門の深さだけではなく、専門と専門の間を翻訳できることの方が、急に希少になってくる。まさに「器用貧乏」が「越境人材」に化ける瞬間だと感じています。

私のリアルな現在地:手応えと、まだ見ぬ売上

ここで少し私の話をさせてください。自慢に聞こえたら申し訳ないのですが、自己分析として聞いていただければ幸いです。

私はこの3つの能力を、少しずつですが全て実践してきました。大手企業でのシステム企画(事業部門での経験も含む)、全社データ基盤の再構築(非機能設計の経験)、そして独立してからは自分で営業し、現場にヒアリングに行く日々です。

もちろん、どれも「一流」とは言えません。しかし、3つとも自分なりに実践してきた自負はあります。だからこそ、もしかしたら自分はこの「交差点」に立てているのではないかという手応えは、正直、今も感じています。

ただ、ここが今日一番正直に言いたいところなのですが、手応えはあるものの、まだ売上はほとんど立っていないというのが現実です。

3つの能力を横断できる人材が希少で価値が高いと言っておきながら、「じゃあお前稼げてんのか?」と問われれば、「まだなんです」と答えるしかありません。だから、3つの能力を全て持てるから成功すると、口が裂けても言えません。頭で考えた「価値があるはずの場所」と、実際にお金が入ってくることの間には、まだ大きな距離があるのです。その距離を、今まさに悩みながら詰めている最中です。

AI時代、あなたはどこで戦いますか?

この現実を踏まえた上で、皆さんに問いかけたいと思います。AI時代、あなたはどのレイヤーで戦いますか?

1つを極めて、その道のトップを目指すのか。それとも、複数を横断して間を繋ぐ側に回るのか。どちらが正解というものはなく、私も分かりません。しかし、もし横断する側を選ぶのであれば、今の自分に足りない2つ目や3つ目の能力は何か、そこから考えてみるのも良いかもしれません。

私のあくまで暫定的な結論は、この3つを少しずつ繋ぐ側で勝負する、というものです。それが正しかったかどうかは、まだ全く分かりません。だからこそ、その過程をこのブログやYouTubeチャンネルで正直に記録していきます。うまくいったことも、いかなかったことも、売上が立った日も、立たない日の焦りも、全て残していこうと思っています。

もし、同じように「AI時代に自分はどこで戦うのか」と考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に考えていきましょう。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。お気軽にご相談ください。

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