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AI・IT活用

大手のAIセミナーに参加して見えた、中小企業が本当に求めるAI活用と私の戦い方

こんにちは、CloudLab代表の岩森です。

先日、私は亀岡の商工会議所で開かれた、ある大手企業のAIセミナーに参加してきました。これは、私にとって、日々の業務のヒントを得るための「勉強」であり、同時に、同じAI支援の分野で活動する大手企業が「どのように中小企業にアプローチしているのか」を知るための「偵察」でもありました。

大手セミナーから見えた「伝え方」の巧みさ

正直なところ、そのセミナーは非常に良く練られていました。登壇されたのはAI推進の責任者で、公的なデジタル推進委員という肩書きもお持ちの方。実績も豊富で、資料からもその信頼性が伝わってきました。

セミナーの流れも実に見事でした。まず、「今の日本企業はAI活用で世界に遅れている」という危機感を提示し、次に「これからは経営者自身がAIを理解し、判断する必要がある」と訴える。そしてAIエージェントのような新しい流れを紹介し、最終的には「まずは今日一つ行動を決めましょう」と、自社への具体的な相談へと繋がる営業導線が綺麗に引かれていました。

この構成は、不安を喚起し、必要性を伝え、行動を促すという点で、非常に勉強になりました。自分の事業にも応用できる点が多く、素直に感銘を受けました。

私が感じた「広さと深さ」の違い

しかし、セミナーを聴き進める中で、私の中で一つ引っかかる点がありました。それは、AIの話が非常に「広く、分かりやすく、入り口向け」に構成されていたことです。もちろん、多くの人にAIの可能性を伝えるためには、専門的な話をいきなりしてもついてこられないでしょうから、これは正しいアプローチだと理解できます。

デモンストレーションでは、ManusというAIツールを使ってコラムやSNS投稿を作成する様子が紹介されました。初めてAIに触れる方にとっては、その手軽さとインパクトは大きいでしょう。しかし、私が普段、CloudLabで取り組んでいる仕事とは、少し領域が違うと感じました。

CloudLabが目指す「現場で動くAI」

私が追求しているのは、「AIってすごいですよね」という概念的な話ではありません。お客様の「この面倒な作業を、AIでどこまで具体的に減らせるか」という、実際の現場業務に深く踏み込んだ支援です。

例えば、現在進行中のプロジェクトでは、建設現場で図面から見積もりに必要な数字(外壁の面積や足場の数量など)をAIで自動的に拾い出す仕組みを開発しています。これは現場の職人さんにとって、非常に手間のかかる作業です。

また、ある士業の先生からは、大量のPDF書類をAIで自動的に仕分けする仕組みのご相談を受けていますし、外部にデータを出すことなく、パソコンの中で完結する会議議事録AIツールも手掛けています。

これらはまさに、AIを「概念」として語るのではなく、「実物」としてお客様の業務に組み込み、実際に動かすことに特化したものです。

セミナーの最後に質疑応答の時間があったので、私は「先ほどManusを使っていましたが、Claudeのような大規模言語モデルとの使い分けはどのように考えていますか?」と質問してみました。登壇者の方の回答は、「Manusの方が簡単で、知識がなくても使いやすい。一方、Claudeを使って業務アプリのような形にしようとすると、コードやサーバーといったシステム知識がある程度必要になる」というものでした。

この回答を聞いて、「やはりそうか」と確信しました。大手企業は、広く多くの人にAIを伝えるために、まずは「簡単な方」に焦点を当てている。これは彼らの戦略としては正しいでしょう。しかし、私が勝負すべきは、その「先」にある、知識や手間はかかるものの、実際の業務に入り込むことでしか解決できない領域だと強く感じました。

社員一人の会社だからこそできる戦い方

社員一人の小さな会社であるCloudLabが、大手企業と同じようにセミナーを開き、AIの必要性を語っても、信用も規模も営業力も及びません。同じ土俵で戦っていては、勝てるはずがないのです。

しかし、お客様がAIに興味を持った後、「じゃあ、実際にうちのこの業務で動くものを作れますか?」と具体的に問いかけられた瞬間、話は変わります。

そこは、一般的なセミナーやツールの紹介だけでは届きにくい領域です。会社ごとに業務が異なり、現場ごとに抱える課題が違い、担当者ごとに困っていることが違う。そうした個別の状況に深く入り込み、実際に動く仕組みを作り出すこと。これこそが、社員一人の私が戦うべき場所だと考えています。

AI業界の二極化と私の決意

今回のセミナー参加を通して、AIの世界では今後「二極化」が進むだろうということを改めて思いました。

AIを分かりやすく語る人、その驚きを伝える人は今後ますます増えるでしょう。セミナーも記事も研修も増え、AIの裾野は広がっていくはずです。

しかし、実際にお客様の現場に入り込み、「この作業をこう変えましょう」「この処理をこう自動化しましょう」「この業務フローならここまで効率化できますよ」と、具体的な形に落とし込み、動かせる人はまだまだ少ない。私は、まさにこの「現場で動かす」という領域に賭けたいと思っています。

もちろん、実物を作る戦い方には課題もあります。一つ一つオーダーメイドで作り上げるため時間がかかりますし、私一人で対応できる数には限界があります。何でも引き受けてしまえば、すぐに身動きが取れなくなるリスクも抱えています。

だからこそ、これからは「誰に、何を、いくらで提供するのか」という点を、もっと明確に、そして絞り込む必要があると感じています。

今回のセミナーで少なくとも一つはっきりしたことがあります。それは、私が大手の「劣化版」を目指してはいけない、ということです。大手が「広く伝える」役割を担うなら、私は「深く作り込む」役割を担う。この役割の違いを理解し、自分ならではの戦い方を磨いていく必要があります。

私は、「AI驚き屋」ではなく、お客様の「現場でAIを動かす人」でありたい。その思いを新たに、これからもCloudLabの事業を進めてまいります。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。お気軽にご相談ください。

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