← ブログ一覧へ戻る
営業・事業づくり

【50代起業】「何ができるか」よりも「どう変わるか」を売る。中小企業向けIT支援の営業で見落としていた視点

CloudLab代表の岩森です。
今回は、私が起業して間もない頃に、ある方から受けた「痛い指摘」についてお話ししたいと思います。この指摘は、営業や事業の価値を伝える上で、私にとって大きな学びとなりました。

はじめに:営業チラシで受けた「痛い指摘」

CloudLabでは、ホームページ制作、業務改善、AI活用、システム開発といった中小企業向けのIT支援を行っています。起業当初、私は自分の会社が何を提供できるのかを伝えるために、営業用のチラシを自分でポチポチと作っていました。

チラシには、「あなたの会社の外部IT部門になります」「ホームページ作れます」「AI活用できます」「システム開発できます」「月額IT顧問をやります」など、私たちが提供できる「機能」や「サービス内容」をずらりと並べたんです。自分としては、CloudLabがどんな会社で、何ができるのかがこれで伝わるだろうと思っていました。

しかし、私が日頃からお世話になっているある士業の先生にそのチラシを見てもらった時、こんな指摘をいただきました。

「岩森さん、何ができるかより、どう変わるかを先に書いた方がいいですよ」

正直、かなり痛いところを突かれたと感じました。でも、同時に「ハッ」とさせられたんです。

中小企業経営者が本当に知りたいこと:「機能」ではなく「変化」

先生の言葉を聞いて、自分のチラシを見返すと、まさに「できること」の一覧になっていることに気づきました。ホームページ制作、AI活用、システム開発…これらは確かに私たちの「機能」です。

でも、お客様、特に中小企業の経営者の皆さんが本当に知りたいのは、そこではないんですよね。お客様の心の中では、おそらく「で、で、で、何?」「それってうちの会社に何の得があるの?」という疑問が浮かんでいるはずです。

お客様が知りたいのは、CloudLabのサービスを利用することで「自分の会社がどう変わるのか」という「変化」なんです。例えば、毎月のコストがどれくらい下がるのか、手作業がどれだけ減って楽になるのか、売上が増えるのか、問い合わせが増えるのか、社員の負担が減るのか、そして経営者である社長が少しでも楽になるのか。ここにこそ、お客様の興味と関心があるわけです。

エンジニア気質が陥りやすい「機能説明の罠」

私自身がエンジニア出身ということもあり、つい技術的な側面や機能について詳しく説明したくなってしまいます。「どんな技術を使っています」「どのような仕組みで動いています」「このツールは高性能です」「構成はこうなっています」……。エンジニアとしては、これらをきちんと伝えたいという思いがあるんです。

しかし、お客様は必ずしも技術の専門家ではありませんし、最初から詳細な機能や仕組みを知りたいわけではありません。例えば、私が「データ基盤やデータ分析基盤を構築できます」と言っても、多くの方は「それで何?」と感じるでしょう。データ基盤という響きは強そうですが、それがお客様にとって具体的に何を意味するのかが伝わらないのです。

これを「変化」の言葉に置き換えるとどうでしょう。

  • 「年間数千万円かかっているシステム費用を見直せる可能性があります」
  • 「大手ベンダーに任せきりだった仕組みを、現場に合う形に整理できます」
  • 「社内にITに詳しい人がいなくて判断に困っていたIT投資を、横で一緒に考え、判断をサポートできます」

このように具体的な「変化」を提示すると、お客様の反応は全く変わってきます。機能の説明だけでは伝わらない価値が、変化を伝えることで初めて明確になるのです。

ホームページ制作も同じ:「当たり前」の羅列ではない

これはホームページ制作においても同じです。私たちが「レスポンシブ対応できます」「SEOを意識しています」「問い合わせフォームを設置します」といったことをアピールしても、お客様にとってはそれはもはや「当たり前」の話かもしれません。

お客様が本当に知りたいのは、そのホームページが完成した後に、どんな「変化」が起きるかです。

  • 紹介された人がホームページを見て、会社に対して安心感を持てるか?
  • 採用活動において、きちんとした会社に見えて、応募に繋がるか?
  • 古くなった会社の印象を変え、新しい顧客層にアプローチできるか?
  • 具体的な問い合わせや商談に繋がるか?

これまでの私は、サービスを提供する側の視点で「できること」や「機能」を先に説明してしまいがちでした。しかし、お客様の視点に立つと、この順番が逆だったと痛感しています。

「変化」を具体的に言葉にする力

では、どのように「変化」を具体的に言葉にして伝えれば良いのでしょうか。いくつか例を挙げてみます。

  • 「ご紹介だけで回っている会社でも、ホームページを整えることで、紹介された方が抱くかもしれない不安を減らし、よりスムーズな商談に繋げられます」
  • 「毎日10分かかっている手作業を自動化できれば、年間で数十時間の余裕が生まれ、人件費に換算すると数十万円、場合によっては数百万円規模のコスト削減に繋がります」
  • 「社長が一人で抱えているITに関する判断を、外部の相談役と一緒に進められるようになります」

このように、まずお客様にとっての「変化」や「メリット」を提示し、その後に「そのためにこんな技術を使います」「こんな仕組みを作ります」「こういう支援をします」と説明する方が、はるかに伝わりやすくなります。

これは料理に例えると分かりやすいかもしれません。お客様がレストランに来て、いきなり「この包丁は切れ味が良いです」「この鍋は熱伝導率が高いです」と説明されても、あまり響きませんよね。お客様が聞きたいのは、そんな道具の話ではなく、「どんな美味しい料理が食べられるのか」です。包丁や鍋は、美味しい料理を作るための「機能」に過ぎません。

「何でもできます」は「何もできない」と同じ

「ホームページもAIも業務改善もシステム開発もできます!」と、できることをたくさん並べるほど、逆に「結局、何屋さんなの?」とお客様に疑問を与えてしまうことがあります。何でもできる、というのは、裏を返せば「特にこれといった強みがない」と受け取られかねません。

これからは、訴求の切り口を変えていく必要があります。

  • 「何ができますか?」ではなく「何を変えられますか?
  • 「どんな技術ですか?」ではなく「どんな悩みが減りますか?
  • 「いくらですか?」ではなく「その金額で何が楽になりますか?

この「変化」の視点を先に伝えることが、お客様に価値を理解してもらう上で非常に重要だと、改めて肝に銘じました。

50代起業家としての成長課題:価値を言葉にする

正直なところ、営業はまだまだ苦手です。自分の提供するサービスに自信を持って説明することも、正直、得意ではありません。「高いと思われないかな」「お節介だと思われないかな」と、つい相手の反応を気にしすぎてしまうんです。

でも、価値がきちんと伝わっていない状態で価格を提示するから、お客様は「高い」と感じてしまうのだと思います。もし、お客様が「それなら助かる!」「まさにそれが欲しかった!」「ぜひ相談したい!」と思ってくださったら、価格の見え方もきっと変わるはずです。そして、私自身も自信を持って提案できるようになるでしょう。

だからこそ、これからの私の課題は、単に技術を磨くことだけではありません。提供する「価値」を、お客様に響く「言葉」で表現すること。これこそが、今の私に一番かけている部分だと感じています。特に「何ができますか」ではなく「どう変わりますか」という一言は、非常に重い意味を持つと痛感しています。

今回受けた指摘は、私の痛いところを真正面から突くものでした。しかし、起業初期に必要な学びは、こうした痛い指摘の中にこそあるのだと信じて、しっかりと受け止め、これからの事業に活かしていきたいと思います。

まとめ

今回のお話のポイントをまとめます。

  • お客様が知りたいのは「できること」の一覧ではなく、「自分の会社がどう変わるか」という「変化」です。
  • 売るべきは「機能」ではなく、その先にある「変化」です。
  • CloudLab代表の岩森は、今日も営業の言葉を学び続けています。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。お気軽にご相談ください。

▶ 動画で詳しく解説

この記事の内容はYouTubeでも話しています。

動画を見る →

この記事の内容を導入したい方へ

「うちの場合はどうなる?」で大丈夫です。課題整理から実装まで、伴走いたします。

無料で相談してみる