こんにちは、CloudLab代表の岩森です。50代で起業し、日々新たな学びと向き合いながら事業を進めています。
先日、地元の先輩経営者からAI議事録・文字起こしシステムに関するご相談をいただきました。一見するとAIツールを導入すれば解決しそうな話でしたが、この一件を通じて、地元の小さなIT企業が大手とどう戦っていくべきか、そして商売の本質とは何かを深く考えさせられました。
AI議事録の相談から見えた、現場のリアルな課題
ご相談いただいた内容は、このようなものでした。
「大きな会議室で、10〜30人規模の会議を行っている。司会者の近くにマイクを置けば声は拾えるが、テーブルの反対側に座っている人の声は遠く、人間の耳ならなんとなく聞き取れても、機械で正確に文字起こしするのは難しい。会議後に手間なく議事録を作成したい」
私自身、エンジニアとしてAI文字起こしサービスやAIを活用した議事録作成ツールには日頃から関心があり、個人的にも活用しています。ZoomのようなWeb会議ツールにも標準機能として搭載されていますし、スマートフォンでの録音・文字起こしも可能です。しかし、これは現場の「あるある」だと感じました。いくらAIが進化しても、元々の音声が綺麗に拾えていなければ、文字起こしの精度には限界があります。
当初、私はエンジニア目線で、
- 「こういう仕組みなら作れるのではないか」
- 「既存サービスとAIを組み合わせれば対応可能か」
- 「録音した音声ファイルを文字起こしし、AIで議事録化する」
といった技術的な解決策を考えていました。
しかし、話を進めるうちに、論点は多岐にわたることが見えてきました。
- 音源の確保: 音をどう拾うか、マイクをどこに置くか、複数マイクは必要か。
- データ管理とセキュリティ: 録音した音声をクラウドに上げて良いのか、セキュリティは確保できるのか。
- システム導入形態: サブスクリプション形式か、買い切りか、会社専用にカスタマイズする必要があるのか。
単にAIツールを導入すれば解決、という単純な話ではない、ということを改めて痛感しました。
お客様が本当に求めているのは、ツールではなく「業務の解放」
地元の先輩経営者と対話する中で、私は大きな気づきを得ました。
お客様が本当に求めているのは、単なる「AI文字起こしツール」そのものではないのではないか、と。
会議が終わった後、
- できるだけ手間なく
- 必要な内容が整理され
- 関係者が確認でき
- できれば次のアクションまで分かる状態にしたい
これが本質的なニーズだと、先輩は教えてくれました。つまり、商品やツールを導入することではなく、「業務のめんどくささから解放されたい」という願いこそが、本来の課題だったのです。
これは、50代で起業し、お客様の課題解決を事業とする私にとって、非常に重要な視点でした。技術的な解決策だけを考えていた自分を反省し、お客様の業務全体を見据えることの重要性を再認識しました。
小さな会社が大手に勝つ「距離感」という強み
さらに、先輩経営者からは、地元の小さな会社が大手メーカーやシステムベンダーとどう戦っていくか、という点についても示唆をいただきました。
大手企業は、当然ながら高品質な製品、豊富な実績、そしてそれを説明するためのパンフレットや営業資料が整っています。機能や規模で勝負すれば、小さな会社は分が悪いでしょう。
しかし、先輩は言いました。「小さな会社には、小さな会社の勝ち方がある」と。
大手企業は、基本的に既製のパッケージ商品やプランを販売する形になります。「この商品があります、このプランでここまでできます、あとはサポート窓口へ」という流れは、それはそれで強力です。しかし、お客様が少し困ったときに、「現場を見に来てほしい」と言われて、すぐに対応できるかというと、なかなか難しいのが実情です。
ここに、私たち地元の小さなIT企業の強みがある、と私は気づかされました。
- 現場に足を運べる: 「この会議室なら、ここにマイクを置くのが最適ですね」
- お客様に寄り添った提案: 「この運用なら、クラウドよりオンプレミスの方が安心かもしれません」
- 柔軟な組み合わせ: 「この部分は既存サービスで、ここだけカスタマイズしましょう」
このように、現場の状況を直接見て、お客様の言葉を噛み砕き、具体的な運用まで含めて提案できること。これが大きな差別化要因となるのです。
特に印象に残ったのは、「即レスポンス」の強さです。
大手企業の場合、質問をしても「確認します」「担当部署に問い合わせます」となりがちです。しかし、地元の会社で、ある程度技術が分かる人間が直接現場に行けば、その場で判断し、ある程度の方向性を提示できます。完璧な回答ができなくても、「これは難しい」「既存サービスの方が安価」「これは作った方が良い」「一度テストしてみましょう」といった整理ができるだけでも、お客様にとって大きな価値となります。この「距離感」こそが、私たちが持つべき強みだと確信しました。
CloudLabが目指す「外部IT部門」としての役割
今回の打ち合わせは、CloudLabとして提供すべき価値を改めて考える良い機会となりました。
私自身、まだ完全にパッケージ化された商品があるわけではありません。先輩経営者からも「まだ自分のプランがないよね」と指摘され、その通りだと感じました。AI議事録も、私自身が使っているものを「こんな形で使えますよ」と提案しようと考えていましたが、それだけでは大手と同じ土俵で戦うことになり、弱いです。
既存のツールをただ売るのではなく、
- 現場に合わせて、必要に応じて小さく作り
- 既存サービスを効果的に組み合わせ
- 運用まで一緒に考えてあげる
このような、地元企業にとっての「外部IT部門」のような立ち位置が、これからのAI時代だからこそ、ますます重要になると考えています。
AIツールは日々増え、進化を続けています。便利なサービスもたくさん出てくるでしょう。しかし、多くの中小企業の現場では、「じゃあ、うちの場合どうしたらいいの?」という問いがどうしても残ります。その問いに対し、現場を見て、話を聞き、課題を噛み砕いて具体的な提案ができる人が、間違いなく必要とされています。
50代起業のリアル:学びと成長の連続
50代で起業して、営業も提案もまだまだ勉強中です。しかし、今回の打ち合わせのように、現場でしか得られない学びが日々あります。ご相談いただけたこと自体が大変ありがたかったのですが、それ以上に、当社の強み、どこで差別化して勝っていくのか、ということを深く考えさせられる貴重な時間となりました。
このような経験を重ねるたびに、CloudLabの会社の形が少しずつ見えてきている気がします。地元のご縁を大切にしながら、お客様の「めんどくさい」を解決し、事業の成長をサポートできる存在として、CloudLab独自の価値を磨いていきたいと強く思っています。
中小企業のIT活用やAI導入は、単なるツールの導入で終わるものではありません。現場に寄り添い、本質的な課題解決を支援する伴走者がいることで、その効果は大きく変わります。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。現場に寄り添い、お客様の事業に最適なソリューションを共に考えますので、お気軽にご相談ください。
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