50代起業、初めての営業で学んだ「ホームページがない=必要」ではない現実
CloudLab代表の岩森です。50代で起業し、地元京都・亀岡を拠点にホームページ制作やIT活用支援の事業を始めています。
起業して間もない頃、私は身近な地元事業者の方へ、初めての営業に赴きました。地域に根ざしたビジネスをされている方々に、私のIT支援が少しでもお役に立てればという思いでいっぱいでした。しかし、その結果は「激沈」。正直、かなりへこみました。今回は、その時の経験と、そこから得た大切な学びについてお話ししたいと思います。
「ホームページがない」=「必要」という思い込み
起業当初、私は地元に貢献したいという気持ちが強く、まずは身近なところから営業を始めようと考えました。亀岡には、素晴らしい技術やサービスを持つ中小企業や個人事業主がたくさんいらっしゃいます。しかし、インターネット上での情報発信が手薄だったり、古い情報のまま放置されているホームページも少なくありませんでした。
私はそれを見て、「これはチャンスかもしれない」と直感しました。
「ホームページがない」
「ネット上の情報が整っていない」
「もっと信頼感を出せるはず」
そう勝手に思い込み、私のサービスがきっとお役に立てるはずだと意気込んでいました。そこで、とある地元事業者の方に目をつけ、いきなり営業をかけるのではなく、まずはご挨拶を兼ねて訪問することにしました。
事前にその事業者さんの情報を調べ、もしホームページがあったらどうなるか、という仮説のもとで、サンプルのホームページを作成。さらに、現在のWeb周りの状況をまとめた簡単なレポートも用意しました。私の事業内容を伝えつつ、少しでも興味を持っていただけたら、という淡い期待を抱いていました。
営業、そして「今はいらない」という返答
お約束を取り付け、いざ訪問。時間は10分から15分ほどと、短い面談でした。用意したサンプルのホームページをお見せすると、「これはすごいね、自分たちで作ったの?」と、技術的な部分には関心を示していただけたようでした。正直、その時は手応えを感じました。
しかし、本題に入ると、相手の口から出たのは「ホームページは、今はいらない」という言葉でした。
私は一瞬、言葉を失いました。なぜ、こんなにも素晴らしいサービスなのに、必要ないと言われるのだろうか。私の見立ては甘かったのか。頭の中で様々な疑問が駆け巡りました。
お客様の「事業フェーズ」を見極める重要性
それとなく理由を伺うと、その事業者さんは私よりも少し年上で、すでに事業を大きく広げたいフェーズではないとのことでした。体力的にも以前のようにバリバリ働くのはしんどくなってきている、後継者もいないので、そろそろ次の人生を考えている、事業を畳むことも視野に入れている、とのお話でした。
この話を聞いて、私は完全に自分の見立てが甘かったと痛感しました。
私は「もっと集客できます」「もっと信頼感を出せます」「ネット上の見え方を整えましょう」という提案を持っていましたが、相手にとってはそもそも「お客さんを増やしたい」という目的がなかったのです。現在の顧客だけで十分であり、むしろ事業を縮小・引退したいと考えているフェーズだったのです。
「ホームページがない」ことには理由がある
今回の経験から、私は「ホームページがない=ホームページが必要」ではないという、当たり前のようでいて見落としがちな事実に気づかされました。
ホームページがない、あるいは古い情報のまま放置されている理由は多岐にわたります。
- ITが苦手、忙しくて手が回らない
- 費用対効果を感じていない
- 今の顧客だけで十分だと考えている
- 事業を広げる気がない、現状維持で良い
- 引退を考えている、事業縮小を検討している
どんなに良いホームページを作り込み、どんなに魅力的な提案をしても、相手が「事業を広げたい」というフェーズにいなければ、その提案は響きません。お客様が今、どのフェーズにいるのか。これから伸ばしたいのか、現状維持でいいのか、縮小したいのか、引退を考えているのか。この見極めができていなければ、どんな提案も的外れになってしまうのです。
へこんだけど、前に進む経験
正直なところ、身近な人に提案して断られるというのは、普通の営業先で断られるのとはまた違うダメージがありました。営業の難しさ、そして自分はまだまだ営業の素人であることを痛感しました。
しかし一方で、今回の訪問は私にとって大きな学びとなりました。遠い知り合いだったその事業者さんと、短い時間ながらも仕事の話ができたこと、そして私が今、どのような事業を始めたのかを直接伝えられたのは良かったと思います。
最後には社交辞令かもしれませんが、「もし必要になったらまた相談するね」「知り合いで困っている人がいたら紹介するよ」という言葉をいただきました。受注には至りませんでしたが、未来への「種」は蒔けたのではないかと感じています。
50代起業のリアル:小さな失敗の積み重ね
起業してから強く感じるのは、思い通りにいかないことの連続だということです。一生懸命資料を作っても、サンプルを作っても、受注に至らないことはざらにあります。勇気を出して会いに行っても、普通に断られることもあります。
しかし、机上で考えているだけでは見えない現実があります。「ホームページがない事業者=ターゲット」と単純に考えていた私にとって、今回のように「事業縮小・引退」という裏側の事情を知ることは、実際に会いに行かなければ決して分からないことでした。
今回の営業は、結果としては「月(ツキ)なし」でしたが、学びとしては非常に大きかった。この経験を糧に、岩森はこれからも一軒一軒、お客様と真摯に向き合い、対話を重ねていきたいと思っています。目の前の事業者様が今、何を考え、何を求めているのか。その真のニーズを理解し、最適な形でIT活用やホームページ制作を通じて支援できるよう、日々精進してまいります。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。お客様の事業フェーズや目的に合わせた最適なご提案を心がけておりますので、お困りごとがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
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