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営業・事業づくり

50代起業の落とし穴:やりたいことが多すぎると事業が停滞する理由

こんにちは、CloudLab代表の岩森です。私は50代で起業し、日々、中小企業のIT活用やAI導入、ホームページ制作の支援に尽力しています。

起業してからというもの、毎日が新しい発見と課題の連続です。特に最近、ある地元の職人社長さんとお話させていただく機会があり、私自身の事業運営にも深く関わる重要な気づきを得ました。それは、「やりたいことが多すぎる人ほど、事業が前に進まない」という現実です。

ある職人社長さんとの出会いから得た気づき

先日、私は地元の個人事業主である職人社長さんと、経営や許認可に強いある行政書士の先生を交え、三者面談を行いました。当社の事務所(自宅ですが)での面談です。

唯一無二の技術を持つ社長さんの可能性

その社長さんは、京都地区でも唯一無二と言えるほど、非常に特殊で競争力のある技術をお持ちでした。すでに優良な取引先も築き上げつつあり、私や行政書士の先生も、お話を伺えば伺うほど「これは大きく伸びる可能性がある、面白い事業だ」と、そのポテンシャルに強い魅力を感じました。

事業を停滞させる「やりたいことリスト」の多さ

しかし、お話を深く聞くうちに、私はある懸念を抱きました。それは、社長さんが抱える「やりたいこと」があまりにも多すぎる、という点です。ぶっちゃけて言えば、「手を広げすぎではないか」と感じたのです。

社長さんが考えていたこと、取り組もうとしていたことを挙げると、枚挙にいとまがありませんでした。

  • 既存の特殊技術を使った事業の拡大
  • 並行して行っている土木・建設系の仕事
  • 新しい取引先の開拓
  • 特殊技術とは別の、新たな商品アイデアの展開
  • 奥様がされている個人輸入・国内販売事業の手伝い
  • ご自身の事業のお子さんへの事業承継
  • 健康面への不安
  • 法人化すべきか、個人事業主のままかという組織形態の悩み

一つひとつの項目は、どれも魅力的で、可能性を秘めているものばかりです。しかし、それら全てを同時に、ご自身一人で抱え込もうとしているように見えました。結果として、どれも中途半端になり、事業全体が前に進みにくくなっている、という印象を受けたのです。

私自身も陥っていた「やりたいこと多すぎ問題」

この社長さんの話は、決して他人事ではありませんでした。私自身もCloudLabを立ち上げて以来、同じような悩みを抱えています。

「やっている感」と「前進しない」ギャップ

CloudLabでは、ホームページ制作、AI活用支援、建設業向けの経営管理システム開発、YouTubeでの情報発信、地元の繋がり作り、営業活動、そして既存のお客様への対応と、本当に多岐にわたる活動に取り組んでいます。課題を見つければ、その解決策を自分で作りたくなる性分もあり、ついつい手を広げてしまいます。

毎日、打ち合わせ、資料作成、システム開発、営業周りと忙しく動き回っています。確かに「やっている感」はありますし、忙しい日々を送っているのは事実です。しかし、ふと冷静に立ち止まって考えると、「本当に一番大事なことが前に進んでいるのか?」と自問自答する場面が少なくありません。忙しいだけで、肝心な成果に繋がっていないのではないか、という焦りを感じることもあります。

「何をやるか」より「何をやらないか」を決める勇気

今回の面談で、同席いただいた行政書士の先生が印象的な言葉を口にされました。

「やりたいことが多すぎる時は、何を“やらないか”を決めるのがすごく大事ですよ。要は、優先順位を決めるのが大事です」

この言葉は、まさに私自身の胸にも深く刺さりました。

50代起業ならではの時間・体力・集中力の制約

起業初期は「どんなサービスを作るか」「誰をターゲットにするか」「どうやって売上を立てるか」など、「何をやるか」を考えることに集中しがちです。もちろんそれらは非常に重要ですが、特に私のような一人社長や個人事業主の場合、もっと大事なのは「何を今、やらないか」を決めることだと痛感しました。

なぜなら、時間も体力も、そして集中力も有限だからです。特に50代で起業していると、20代や30代のように多少無理をして徹夜で頑張っても、すぐに回復できるというわけにはいきません。健康面への配慮はもちろん、家族との時間、そして人生の残り時間も、若い頃とは違うリアルさで感じています。そう考えると、「全部やる」という選択は、実は非常に危険な戦略なのです。

「全部やる」ことの危険性

一見、意欲的に見える「全部やる」という選択は、実際には「何も選んでいない」状態と同じです。新規事業も、既存事業の拡大も、営業も、現場も、採用も、家族の事業の手伝いも、健康管理も、事業承継も。これら全てを一人で抱え込もうとすれば、どんなに優秀な人でもすぐに限界が来ます。そして、一人でやっている場合、限界が来た瞬間に事業全体が止まってしまうリスクを抱えることになります。

事業を加速させる「やらないことリスト」の具体例

「やらないことを決める」というのは、決して消極的な話ではありません。むしろ、本当に前に進むための、極めて戦略的な選択です。具体的な例をいくつか挙げてみましょう。

  • 今はこの新商品には手を出さない:魅力的なアイデアでも、今は資源を集中すべき時期ではないと判断する。
  • この顧客層はあえて追わない:全ての顧客をターゲットにするのではなく、最も価値を提供できる層に絞る。
  • この事業は一時的に家族に任せる:信頼できる人に任せ、自分の時間を確保する。
  • 法人化の準備に集中する:他のタスクを一時的に減らし、重要な手続きにリソースを投入する。
  • 営業先を特定の3社に絞る:広範囲にアプローチするのではなく、確度の高い先に集中する。
  • 自分が現場に出る仕事を減らす:直接的な作業から離れ、経営や戦略に時間を割く。

これらは、無限の可能性の中から「今はやらない」と意識的に選択することです。一時的に可能性を捨てることにはなりますが、その代わりに、本当に重要な一点に自分の時間とエネルギーを集中させることができます。

選択と集中が、事業を確実に前へ進める

私自身も、システムを作るのが好き、企画を練るのが好き、YouTubeで話すのも好き、と「好きなこと」が多すぎて、ついつい全てに手を出したくなります。しかし、好きなことを全てやっているだけでは、それは趣味の延長でしかなく、事業にはなりません。

どれを伸ばすのか、どれを今やらないのか、自分の時間をどう集中させていくのか。これを決めないと、忙しいばかりで肝心な事業が前に進まない、という状態に陥ってしまいます。一人で事業を営む以上、「選択と集中」は避けて通れない課題です。「言うは易く行うは難し」で、苦しい決断を伴いますが、何かを捨てないと、一番大事なものまで中途半端になってしまうのです。

特に50代になると、若い頃のように「急がば回れ」と言っている時間はありません。遠回りしているうちに人生が終わってしまう、というリアルな感覚があります。若い頃とは戦い方や時間の概念が変わってくるからこそ、戦略的な「捨てる」決断が、今の私には不可欠だと強く感じています。

今回の学びを通して、もし同じように「やりたいことが多すぎて、なかなか前に進めない」と感じている中小企業経営者や個人事業主の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、「何をやるか」ではなく、「何を今、やらないか」という視点で、ご自身の事業を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。事業の選択と集中においてITやAIの活用が有効な場合も多々あります。お気軽にご相談ください。

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