50代起業の私が、士業の先生から教えられた「本当のDX課題」と地域ITの活路
CloudLab代表の岩森です。50代で起業し、日々手探りで事業を続けています。今回は、私が「士業の先生にホームページ提案に行ったら、本当のDX課題を教えてもらった」という、ある訪問での学びについてお話ししたいと思います。
私は現在、地元京都・亀岡を拠点に、ホームページ制作やIT支援、業務効率化の仕事に取り組んでいます。地域の中小企業や事業者の方々にITの力で貢献したいという思いから、士業の先生方とのネットワークづくりにも力を入れています。
士業の先生方は、会社の設立、相続、登記、許認可、労務、税務など、地元事業者の方々と非常に接点が多い存在です。もし、ITやホームページに関する相談があった時に、CloudLabを思い出していただけたらありがたい。そんな期待を胸に、ある士業事務所さんにご挨拶に伺いました。
「ホームページが古い=営業チャンス」は安易な思い込みだった
訪問当初、私の頭の中には「この事務所のホームページは少し古いな。情報も少ないし、もっと見やすく整えれば信頼感も上がり、集客に繋がるのではないか」という考えがありました。
もちろん、開業間もない先生や、これから積極的に集客したい先生方にとって、ホームページ制作は非常に有効な手段だと今でも思っています。名刺交換後に見られることもありますし、採用活動や紹介の受け皿としても、整ったホームページは信頼に繋がります。
しかし、実際に先生と名刺交換し、お話を伺っていく中で、思いがけない言葉を聞きました。
「うちのホームページは、あえて一般のお客さんが来すぎないようにしています」
この言葉には、正直驚きました。私の「ホームページを整えれば集客に繋がる」という思い込みは、必ずしも正しくなかったのです。先生は、紹介や既存の繋がりで十分な仕事があり、むしろ無差別に集客が増えると、既存の業務が回らなくなって困る、とおっしゃいました。すでに業務量がかなり多いため、これ以上、不特定多数からの問い合わせを増やす必要がないというのです。
この時、私は、こちらが一方的に「売ろう」という姿勢で臨むのではなく、まず相手の「本当の困りごと」や「事業の現状」を深く「聞く」ことの重要性を痛感しました。単純に「ホームページが古いから営業チャンスだ」と考えるのは、非常に安易だったと反省しました。
現場で見えた「地味だけど深刻な」DX課題
ホームページの話題から、話は先生が本当に興味を持っていた「日々の業務効率化」へと移っていきました。
先生が関心を持っていたのは、集客よりも、いかに日々の業務を効率化し、負担を減らすかということでした。具体的に画面を見せていただきながら、現場のリアルな困りごとを教えていただきました。
- 案件進捗の管理: 案件が今どこまで進んでいるのか、常に把握したい。
- 書類整理の煩雑さ: スキャンしたPDFを管理番号でフォルダに振り分ける作業。毎日大量の書類を扱うため、この手作業が大きな負担となっている。
- 郵送書類の追跡管理: 発送した書類の追跡番号を一覧で管理し、状況を把握したい。
- 既存業務ソフトの限界: 導入済みのソフトではカバーしきれない、周辺の「ラストワンマイル」的な手作業が残っている。
先生は「10秒程度の作業でも、毎日何件、何十件とあると、地味に面倒なんです」と本音を語ってくださいました。これはまさに、ネットで「士業 DX課題」や「業務効率化」と検索しても、なかなか表には出てこない、現場のリアルな声です。IT企業としてはつい「AIで全部自動化しましょう!」とか「クラウドで一元管理しましょう!」といった派手なシステムを提案しがちですが、現場の本当の困りごとは、もっと地味で、具体的な手作業の積み重ねの中にあるのだと改めて感じました。
大手が手を出せない「ニッチな困りごと」にこそ、私たちの活路がある
このような先生の具体的な困りごとを聞いて、私はCloudLabのような地域の小さなIT会社にこそ、大きな活路があるのではないかと感じました。
大手システム会社は、士業のような特定の業界で、かつ事務所ごとに運用が異なり、個人情報や機密情報が多いといった細かいニーズには、なかなか対応しにくいのが現状です。市場規模が小さい、業界がニッチ、既存ソフトがバラバラ、そして何より手間がかかる割に「儲からない」領域だと見られがちかもしれません。
しかし、私たちのような地域に根差した小さなIT会社にとっては、まさにそこが「生きる道」だと考えています。大手が参入しにくいニッチな領域は、うまく立ち回れば「ブルーオーシャン」になり得ます。例えば、次のような「小さな自動化」から始めることができます。
- PDFからの情報抽出と自動振り分け: スキャンしたPDFから管理番号を読み取り、自動でファイル名を変更し、適切なフォルダへ振り分けるツール。
- 郵送追跡情報の自動転記: 郵送した書類の追跡番号を自動で取得し、管理表に転記する仕組み。
- 案件ごとの書類検索効率化: 必要な書類を素早く見つけられるような、検索補助ツール。
これらは決して派手なシステムではありませんが、現場の先生にとっては日々のストレスを大きく軽減し、業務効率を向上させる invaluable なソリューションになり得ます。こうした小さな改善から信頼を積み重ねていくことで、もしかしたら、より大きなIT課題の相談や、長期的なパートナーシップへと繋がるかもしれません。
AI活用も「現場のリアル」を無視しては語れない
ITに携わる者として、何でもAIで解決しようと考えがちですが、士業の現場では個人情報や機密情報が非常に多いため、安易にクラウド上のAIに書類を渡すわけにはいきません。セキュリティ面や運用ルールを十分に考慮する必要があります。
「AIを使えばできます」というだけでは不十分で、
- どこまでAIに渡して良いのか?
- ローカル環境で処理できるのか?
- 人間が最後に判断できる仕組みになっているか?
- 誤って判定した場合のリカバリーはどうするか?
といった点まで深く考え抜かなければ、士業向けの真のIT支援にはなりません。AIの可能性を追求しつつも、現場のセキュリティ意識や運用実態に寄り添うことが不可欠だと感じました。
まとめ:50代起業の私が改めて感じた「聞く力」の重要性
今回の訪問は、当初の「ホームページの紹介」という目的を超え、私にとって非常に大きな学びの機会となりました。
改めて感じたのは「売りに行く前に、まず聞きに行くこと」の大切さです。SNSやウェブでの「空中戦」も重要ですが、私たちCloudLabのような地域密着型のIT企業にとっては、実際に人と会い、膝を突き合わせて話を聞く「地上戦」が、信頼を築き、仕事に繋がる勝ち筋だと確信しました。
地道な対話を通じて現場のリアルな課題を理解し、そこに寄り添った解決策を提案していく。このプロセスを通じて、少しずつ信頼と実績を積み重ねていきたいと思います。今回の私の経験が、同じように50代で起業された方や、地域ビジネスで奮闘されている中小企業の経営者の方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。
CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。地域に根ざし、お客様の「本当の困りごと」に寄り添った解決策を提案いたします。ITやDX、業務効率化でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
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