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AI・IT活用

50代起業家が見た「令和のFAX文化」—士業の現場から考える地域DXのリアル

こんにちは、CloudLab代表の岩森です。

最近、士業の先生方と居酒屋で雑談する機会がありました。話題は多岐にわたったのですが、その中で私はある事実に直面し、正直なところ「マジか」と衝撃を受けました。それは、「令和のこの時代に、未だにFAXが現役、いや、必須の場面がある」という話です。

令和なのにFAX?士業の現場で見たアナログの現実

話を聞けば、ある士業の業界団体への入会手続きが、「必ずFAXで送らなければいけない」というのです。しかも、その団体からの返信もFAXで届くとのこと。FAXがない人は郵送するか、場合によってはコンビニでFAXを送るように指示されることもあると聞き、私の脳内のIT担当者は膝から崩れ落ちそうになりました。

考えてみてください。AIが日常に入り込み、ChatGPTやGemini、Claudeといったツールが当たり前になった時代です。個人の家庭でFAXを使うことはほとんどなくなり、会社でもメールやクラウドサービスが主流になっているはず。

それなのに、ある特定の業界では、いまだにFAXが必須。しかも、その手続きは手書きが求められ、PDFで書類が提供されても、一度印刷して手書きで記入し、それをまたFAXで送るという運用になっているそうです。PDFを編集できるスキルがあっても、結局は印刷してFAX。「この令和の時代に、一体どういうことだろう」と思わざるを得ませんでした。

メールで良いじゃないか、Googleフォームのような申し込みフォームを使えば、送る側も楽ですし、受け取る側の集計も一瞬で終わるはずです。PDFを直接編集して、そのままデータを送ることもできる。なぜ、これほどまでに非効率なプロセスが残っているのか、疑問が募りました。

なぜアナログな慣習は残るのか?—DX推進の壁

もちろん、ここで単純に「遅れてる」「バカげてる」と切り捨てるのは違うと、私は思っています。FAXにはFAXの、紙には紙の理由があるはずです。

長年培われてきた慣習は、そう簡単に変わるものではありません。誰もが「変えたい」と思っていても、実際に変えるとなると、その責任は誰が取るのか、新しいやり方に移行するための手間は誰が請け負うのか、といった問題が生じます。特に、組織の意思決定に関わる方々が高齢である場合、慣れ親しんだ方法から離れることへの抵抗感は大きいでしょう。紙媒体が持つ「安心感」や「記録としての信頼性」を重視する声もあるかもしれません。

つまり、DXは正論だけでゴリ押ししても前に進まない可能性が高いのです。「これは無駄ですよ」「時代遅れですよ」といった言い方では、かえって相手の心を閉ざしてしまうことになりかねません。必要なのは、相手の状況や背景を理解し、寄り添う姿勢です。

DX推進の鍵は「共感」と「スモールスタート」

では、どうすれば良いのか。

私は、「ちょっとだけ楽になりますよ」「今までのやり方を全部変えなくても、ここだけ自動化すれば、もっと楽になりますよ」といった、スモールスタートで提案することが大切だと考えています。

相手の立場に立ち、共感を示しながら、小さな改善から始める。そして、その小さな成功体験を積み重ねていくことで、徐々にデジタル化への抵抗感を減らし、信頼関係を築いていく。このプロセスこそが、地域におけるDX推進の鍵だと感じています。言い方一つで、相手の反応は大きく変わるものです。「先生がやらなくて良くなるかもしれません」といった伝え方をすることで、未来への期待感を抱いてもらえるかもしれません。

私が経験した士業DXの具体例

士業の先生方の業務は、法律や行政手続きに関わるため、紙の資料と切り離せない部分も多くあります。私が以前関わったある士業の先生も、大量の紙資料の整理に苦労されていました。

先生は、紙の資料をPDF化し、それを案件ごとに仕分けたり、ファイル名を変更したり、適切なフォルダに保存したりといった細かい作業を、日々膨大にこなしていたのです。一つ一つの作業は10秒や20秒かもしれません。しかし、それが毎日積み重なると、かなりの時間と労力を消費します。さらに、単純作業に時間を取られることで、本来集中すべき専門業務や、高度な思考を要するクリエイティブな仕事に割く時間が減ってしまっていたのです。

本来、専門的な知識と経験を持つ先生が、そうした定型作業に時間を費やすのは、生産性の観点からもったいない。そこで私は、先生が日々行っていたPDFの整理作業を自動化するプログラムを作成しました。これにより、先生は本来の業務に集中できるようになり、大幅な業務効率化を実現できたと喜んでいただけました。

DXのチャンスは身近な「当たり前」の中に

今回のFAXの話や、士業の先生の事例を通じて、改めて感じたことがあります。

DXのチャンスは、派手な最新技術の導入だけにあるわけではありません。むしろ、多くの人が「これって、まだやってるんですか?」と疑問に思うような、日常の中に隠されたアナログな慣習や、非効率な「当たり前」の中にこそ、大きな改善の余地があるのです。

大企業ではとっくにデジタル化が進んでいるようなプロセスが、中小企業や、伝統を重んじる地域ビジネスでは、まだまだ残っていることが少なくありません。ここにこそ、私たちIT支援企業が貢献できるフィールドがある。ただし、その支援の入り口とコミュニケーションが、何よりも重要になることを痛感しています。

私自身も、人のFAX文化を笑っている場合ではありません。ブログ記事一本に半日フリーズしたり、いまだに営業恐怖症が残っていたりする私自身も、まだまだDXが必要です。お互いに、より良い働き方、より生産性の高い日常を目指して、一歩ずつ進んでいきたいと強く思います。

CloudLabは京都・亀岡を拠点に、中小企業のIT活用・AI導入・ホームページ制作を支援しています。日々の業務で「これって、もっと楽にならないかな?」と感じることがあれば、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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